現在ではまだ収束してませんが、心配しすぎる必要はないと思います
これは昨日東京にいる友人とも話しましたが、東京の現在の放射線量は全く安心出来るレベルで、中国広州の天然放射線量とほぼ変わらない値ですし、チベットのラサと比べたらまだまだ低い方です
中国の主要都市の放射線量の公式発表はこちらでご覧いただけます、緑の点はそれを発表する時点、つまり2011年3月15日時点の値で、青い四角は通年の変動範囲です、また単位は「nGy/h」で、日本の発表でよく使われる単位「μGy/h」とはちょっと違いますが、換算するのは簡単です、1000nGy/h=1μGy/hですので、中国の発表で使われてる数値を1000で割れば日本の発表でよく使われる単位を付けたらいいです
図をご覧になれば分かると思いますが、東京では現在0.1μGy/h、つまり100nGy/h位の値ですが、たしかに通常の値と比べればとても高いかもしれませんが中国では普通にありうる値です
なぜ地域によって放射線の量がこんなにも違ってくるのでしょうか?これは様々な原因が考えられます、例えばそもそも太陽光からも僅かな放射線が含まれており、それ以外にも地理的条件や岩石に含まれる元素など、天然放射線は地域によってかなり違ってくるのです、中国の主要都市の放射線量の図を見てみれば分かると思いますが、中国だけですらみんなバラバラなのです
そして「中国やインドでは確かにこれは通常でもありうる値かもしれないけど中国人やインド人はもう既にそんな状況に慣れてるので免疫がある」という説が2chなどで見かけられますが、これは医学的に証明されておりません、「放射線量」に対する「免疫」は少なくとも現在の科学では証明されてませんし実例もありませんのでご安心ください、中国人もインド人もそしてもちろん日本人も理論上放射線に対する生理的反応は同じです
さらに「放射線量だけじゃなくてそもそも元素が違うから影響も違う」という説もありますが、これはたしかに正しいです、元素が違うと半減期も違ってきますので、例えば今回の事故で放出されてるヨウ素I131は半減期が8日くらいですが、セシウムの同位体で30年立てばやっと半減するものもあり、長期的に見れば影響はたしかに残ります、ただしそもそも自然界でも放射線があり、これらの放射線はどれくらい加味しているのかといえば、一定距離を置いておき、さらに汚染された土地を隔離し、海水の放射線量の検査を行い、さらに汚染された農産物を廃棄すればそういった影響をある程度回避することができます、なぜなら風がない状態を想定すると、放射線量は距離の二乗と反比例しているのです、これは例えば2倍の距離での放射線量は2の二乗分の1、つまり1/4となり、4倍の距離での放射線量は4の二乗分の1、つまり1/16となるのです、なので空気による伝達はある程度の距離を置いておけば放射線の影響はかなり小さくなり、水や農産物による伝達が放射性物質の伝達の主な原因となるのです;ちなみにいまの段階では放射性ウランの放出は検出されておりません(ただし汚染されていない土壌でもその付近にあれば風評被害を受けるリスクも高いです)
では、福島原発が最悪な場合に陥ったら、どれくらいの距離を置いておけばいいでしょう?史上最悪の原発事故、つまりチェルノブイリ事故からすれば、当時は事故後30km範囲の住民を避難させて、事故直後避難させられなかった30km以内の被曝者を除けば、直接被爆による健康への悪影響は殆ど見られず、彼らの多くの人はその後の汚染された農産物などによる被害であったことから、30km以外ならほぼ安全ではないかと思います、なにせ構造上違いますから福島原発が最悪の場合に陥ってもチェルノブイリ級の影響まで至らないように思われます
では最悪の場合ってどんな場合でしょう?最悪の場合、いわゆるメルトダウンが起こるのです、つまり原発に用いられる原子炉の炉心にある核燃料が過熱し、炉心構造物が破損してしまうことです、この場合は破損の程度によって大量な放射線が放出されてしまう可能性があります、チェルノブイリの場合は経費節約のため、爆発した4号炉は一部だけ封じ込められ、そのため蒸気爆発した結果として、圧力容器が破裂し、大量な放射性物質が放出されてしまいました;しかし福島原発の場合は核燃料を完全に封じ込める厚い壁があり、現在の水素爆発は外側の建物だけ破壊したので例えメルトダウンが起こってしまっても、ある程度の放射はその壁の中に閉じ込められ、その場合はチェルノブイリ事故で放出された放射線より少ないと思われます
ちなみにですが、原発は核爆発は起こりません、実際の原子爆弾は核分裂を起こすウラン235の割合は90%以上、最低の最低でも70%以上でなければなりませんが、原発で使われる核燃料はウラン235の割合はせいぜい3%か4%くらいです、このほうがコスト的にも安いですしより制御しやすいのです、ですので核爆発は理論的に絶対に起こり得ません、チェルノブイリ事故でさえ核爆発ではなく蒸気爆発でした。ちなみに天然ウランはウラン235は0.7%くらいしかなく、残りはほぼ核分裂を起こさないウラン238なのです
ではなぜ福島原発は爆発をなんども起きたのでしょう?それは原発の仕組みを少し踏まえながら語りましょう、原子爆弾も仕組み的にはおなじですが、原発は核分裂を利用しているのです、自由中性子をウラン235原子にぶつけたら、ウラン235が分裂して、クリプトン92やバリウム141になって、さらに自由中性子を作り出していきます、そしてこの作り出された自由中性子はさらに別のウラン235にぶつけて、この核分裂反応をループさせます、これが核分裂連鎖反応です、この反応により反応物質の質量が減少し、その分大量なエネルギーが出てきます;ただ原発の場合はこの連鎖反応を制御しなければなりません、より多くのエネルギーが必要なときもあるし、少しだけエネルギーが必要か全然エネルギーが必要ないときもあります、なのでこの場合は中性子を吸収する性質を持つホウ素などで作られる「制御棒」を使います、反応が暴走するときや反応を停止させたい場合はこの制御棒を原子炉に挿し込むことで反応を制御しているのです
そして幸い、実は福島原発は地震の時、既に制御棒によって核反応が停止しているのです
しかしこれだけでは不十分です、核反応は停止したものの、残りの生成物はまだ衰減を続き、放射線や熱を放出しているのです、だから何かの手段で冷却しなければなりません。核反応は既に停止したので発電所自体は発電していない、そのため外部からの電気供給がひつようです;今回の福島原発は電源を供給するディーゼルエンジンは津波によってなくなり、非常要バッテリーで8時間冷却を続けたのですが、その後まだ外部電源を確保できず、衰減により温度が上昇する一方となったのです;そして冷却水は熱により蒸気となって、さらに高温の蒸気は燃料棒の外側のある物質に接触し、水素と酸素に還元され、水素爆発を起こしてしまったのです、そうです、これは核爆発ではありません、水素爆発です
現在福島原発の問題はこの核反応の生成物の衰減による発熱をどうすれば制御できるかというものです、これが福島原発の現状です、ですからまだ事態は収束しておらず油断は近物ですが、核反応は既に停止しており、さらに核爆発も起こり得ませんので心配しすぎる必要もありません
さらに正確かつ詳細な情報がほしい人は、下記のウェブページを御覧ください、本記事も下記のウェブページから引用した部分があります
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110318002&expand&source=gnews
http://ja.wikipedia.org/wiki/チェルノブイリ原子力発電所事故
http://news.ameba.jp/20110318-165/
http://ja.wikipedia.org/wiki/福島第一原子力発電所事故
http://www.unn-news.com/news/201103172611
http://japan.cnet.com/sp/eq2011/35000688/
マスコミは騒ぎすぎですよね><
お疲れ様さん~~長い~
@人間です:
マスコミは所詮マスコミだからね、疑わずに全部信じちゃだめだよ