日中コスプレ文化の違いについて

最近Mtrixさんが中国の広州で2回もの同人イベントに参加するので、その仲介としてイベントの主催者とMtrixの間の連絡を取らせていただいている
そして、当然ながら同人イベントには欠かせない「コスプレ」の話題も出てきた

そこで、一応日本語の記事も最近なかなか書けなかったのでこの機会に中国のコスプレについて少し語ろうかと思って、この記事を作った

中国のコスプレと言ったら、まず最初に言っておかないといけないのは「コスプレコンテスト」というものの存在だろう、自分が知らないだけかもしれないが、さすがに日本に来て2年半も経って、「コスプレコンテスト」というものは聞いたことなく、一番近いものであってもアニメイトのコスチューム専門店である「アコス」が主催する「コスプレイベント」が一番近いもの

なのでこの「コスプレコンテスト」はどういうものかについて少し説明しよう、まず名前からも分かるとおり、これはコスプレのコンテストである、では何を競争するか？
大体の場合、このコンテストに出場するのは、単なる「コスチュームを着てステージに歩き回って退場」という流れではなく、ストーリーが重要だ、つまり「コスチュームの着た芝居」のようなものである（けど別にストーリーがなければダメというわけではない）

だからこのような芝居のコンテストなので、競争するのはコスプレ衣装の出来や効果だけでなく、芝居の内容も一つ大事なポイントになる。だがもちろん、コスプレ衣装のでき、化粧のでき、道具、効果なども競争するポイントとなる

芝居であるから、もちろん一人芝居も無理ではないが、大体の場合は複数人のサークルが出場する

このような「芝居」コスプレは、僕は日本では聞いたことがないので、自分が知らないだけかもしれないが（もしそうであれば、ご指摘をぜひよろしくお願いします）、日本と中国のコスプレ文化の一つの大きな違いであると思う

またもうひとつはさっき出てきた「コスプレサークル」、これは中国ではごく普通な集まりである、自分もそういうサークルにいた友達が二人いる

このようなサークルはもちろん、コスプレコンテストに出場するために結成されるのが多い、そのため、一生懸命より良いコスプレを目指す、本格的に活動するサークルが多い、ただ大体の場合、最初に集まったきっかけはネットでの知り合いであるので、互いに初めて知った人も少なくない

そして本格的な活動なので、芝居のシナリオ、コスプレの衣装作り、化粧の仕方など、様々なことを勉強できる、大きなサークルならプロの裁縫師や化粧師まで持っている（もちろんその人達自身もコスプレヤーである事が多い）

なんで裁縫師が必要なのか分からない人もおそらくたくさんいるのでここで少し説明します、中国では、日本のようにコスパやらしんばんといったメーカーが生産したコスチュームを購入するのは極めて困難である、まずそういうコスチュームは日本の物価で売られているので、ほとんどの中国人にとっては高い；またたとえ買うお金があるとしても、それを入手するためにはショップさんに注文し、受注販売という形になるので、一回に多く入荷しなければ送料が非常に高い上、届くのに何日もしくは何週間もかかってしまう；そして最後にたとえ届いたとしても、自分のサイズに合わないや細かい部分の修正が必要だとしたら、コスプレ衣装は普段着る服とは違ってなかなかデザインが「ユニーク」なので、普通の裁縫師さんには修正できない場合もあるから、逆に自分が裁縫できるなら問題は簡単にそして低コストで解決できる

また、日本では「コスプレはあくまで自分の趣味であり、他人に迷惑を掛からない限り何をしても自分の自由である」という思想はおそらく普通ではないだろうか？けどそういったコスプレサークルに入った以上、「自分の自由に」はできなくなってしまう可能性がある、つまりサークルとしてコンテストに出場するので、サークル全体としての「利益」を優先する、なのでキャラクター分担で自分のプレイしたくないキャラクターがあたってしまう場合もある、そして「コスプレのでき」もコンテストでの競争する点であるので、顔や身体のスタイルでプレイするキャラクターを決める傾向がある

こういった本格的にコスプレ活動をするサークルもにほんでは見たことがない（自分が知らないだけかもしれないが）ので、これも中国と日本のコスプレ文化の大きな違いではないかと思う

ちなみに今回Mtrixが出場するYCMの方でもこのようなコスプレコンテストがあるらしい、残念ながら自分は試験がまだ終わっていないので行けないがorz

Author: 星野恵瑠

Mac user, Niji-Ota, Chinese, Now working in Japan at MAGES. Inc., Future's aim is that one day my name can be listed in Wikipedia View all posts by 星野恵瑠