台湾発のiPad向け電子雑誌「青りんご」紹介

というタイトルに設定しましたが、本文の目的は実はこれではなく、日本の電子雑誌がいかにだめなのかを、分かりやすく皆さんにお伝えしたいことこそが本文の目的でございます

まずは一応電子雑誌事情を軽く触れておきたいと思います、実は今回の「青りんご」という雑誌は、名前のとおりアップル社製品、特にi〇〇シリーズ製品を中心に紹介する電子雑誌であり、実は「クリエイティブ性」はそれほど高くなく、ほとんどの発想は世界初のiPad向け電子雑誌「Project」(ニュースグループ発行)のものです、が、独自のものも一応ありますし、そしてそれでも日本の電子雑誌より遥かに進化されています。また、台湾だけでなく、アメリカや中国もたくさんの素晴らしい電子雑誌があります。アメリカは先ほど申し上げた「Project」、そして中国は今回は詳しく説明しませんが「iWeekly」というものがありまして、興味のある方はぜひ今回ご紹介する「青りんご」と一緒に自分でお試しください

では紹介に移ります、とりあえず起動してみましょう、アプリのホーム画面はこのようになり、そして右上に「購読」のボタンもあります

Store画面で購入できる(正確に言うと入手できる)号が並べられています、最新号は一番上で大きく、バックナンバーは下にスクロールで全部見ることができます、そしてご覧のとおり、番外編(?)以外は新刊既刊によらず一律「無料」でございます

Library画面で自分が入手した雑誌を確認できます

早速最新号に入ってみましょう、すると一番最初に表示されるのは表紙ではなく、オープニングムービーです(飛ばしたい場合は左上にあるボタンを押せば飛ばされます)

ムービーが終わったら表紙が出ます

右にフリックすればまず最初にこの雑誌の使い方のマニュアルです、フリックやダブルタップ、そしてあらゆる記号の説明がここで確認できます

この雑誌はProjectと同じく、この章の次の内容は下へフリックし、次の章は右へフリックすれば行けます

ページ内にボタンがある場合、それをタップできます、例えばここで+ボタンを押せば写真上に説明文が現れたり、再生ボタンを押せば動画を再生したりできます

1ページに収まらない画像もフリックでスクロールできます

臨場感を作り出すために敢えて動画をページ内のiPhoneの画像に再生させています(全画面に拡大も可能)

iPhoneで撮った写真はiPhoneをタップすれば前画面で確認できます

よりiPod nanoのイメージを伝えやすくするため、iPod nanoのあらゆる画面をiPod nanoの画像内でフリックできます

面白さを増すため、画面をタップするとなにかの変化もあったりします

文章内で紹介されたアプリはほとんどの場合アイコンをタップすれば当該アプリのリンクへ飛ばします

PowerBook G3の写真をタップすればディスプレイが開かれます

文章が長いが、わざわざ次のページにするような長さでもない場合はスクロールで確認できます(そしてついでに弊社が移植し、5pb. Games様が販売するシュタインズ・ゲートiPhone/iPad版もご宣伝させていただきますw)

広告のページも色々工夫されており、再生ボタンを押せばオリジナル宣伝動画が再生されたり、色バリエーションボタンを押せば商品がその色に変わったりすることもできます

紹介されたアプリはアイコンをタップすればiPad画像内でスクリーンショットをかくにんできます

アプリの名前の読み方を教えるコーナーはもちろん名前を押せばその名前を読んでくれます

任意のページでダブルタップすれば下にメニューバーが現れ、ホーム画面や表紙画面、ヘルプ、そして全コンテンツ確認もできます

コンテンツ確認するときは全画面でページを表示し、横スクロールですべての内容を確認できます;さらに今のページは「青りんごマーク」が付き、簡単に確認できます

次に青りんごではないが、同じシステムを使って作られた他の電子雑誌を紹介します;内容はクルマ情報誌で、青りんごと同じく台湾のものです

このページでⓘボタンを押せば、その部分についての写真やスペックが表示されます

同じくフリックスクロールですが、この雑誌ではさらに矢印が追加され、どの部分についての詳細写真か一目ですぐわかります

また長い文章は写真を隠さないために最初は短く表示されますが、スクロールすれば下が読みやすいため文字が上に移動され、写真を隠します

ローテートマークがある場合はiPadを横画面に回転させれば横画面用の写真が表示され、同じくサムネイルをクリックすればその写真が表示されます

⊕マークがある場合、画面をタップすれば背景と現在の紹介文がフェードアウトし、クルマだけそのまま残るほか、新たにスペック情報等が表示されます

以上のように、とてもシンプルなデザインでありながら、iPadで読むことを前提として考え、それに最適な文字サイズや情報の表示方法などを選び、実に工夫された雑誌でございます。残念ながら今は繁体字中国語にしか対応しておりませんが、繁体字なら日本人にとって漢字を読むだけでなんとか内容は少し把握できると思います

そして本当は「恥ずかしくて」晒したくありませんが、このままだと比較になるものがありませんので、日本の電子雑誌、特にここでは本来ならiPadと一番相性が良いはずのアップル製品を取り上げる雑誌Mac Fanの電子版を紹介します

まずはアプリ画面、全くデザインがなされていないというか、もう一言「ダサい」に尽きる残念なホーム画面です

設定画面は全くiPadの画面サイズ(画素数ではなく実際の物理的サイズ)を配慮せず、iPhone向けの設定画面をそのままiPadに移しただけな感じです;しかもよく読んでみれば、上に紹介した雑誌と同じ定期購読とiOS5のNewsstand対応のアプリなのに、この雑誌は定期購読にしか対応せず、バックナンバーは購入どころか、購読したものも新刊が出たら読めなくなってしまうとんだアホな設定です、もう「お前頭大丈夫か!?」としか言いようがないようですね、はい(まあ確かに年間購読なら安上がりですが)

とてもアホな設定なので実際購読用アプリではなく、Magastoreを利用して手動で毎月購入してますが、内容は両方同じで、言わば紙のMac Fanをスキャンした物をそのままPDF(若しくはその他の形式)化し、iPadで読む感じです;なにが悪いかというと、倍率も悪いし、iPadの実際画面サイズ(同じく物理的サイズ)は本来の紙のMac Fanより小さいので、画面サイズにフィットする大きさで読むと文字サイズが小さく、加えてiPadはdpi(1インチあたりの画素数)は132と低いため(iPhone 3GSまでのディスプレイは163dpi、iPhone 4からのレティナディスプレイは326dpiと、どれよりもiPadより高いです)、本文ならまだ何とか読み取ることができます(それでも目に自信がある私でも結構苦労する)が、もっと小さいフォントが使われた画像説明の文字だと殆ど認識できない状態です、全く読者のことを考えてすらいないのではないかと疑うくらいなひどさです

もちろん元サイズ(100%)で表示させれば文字が認識出来るようになりますが、その場合1ページが画面に収まらず、所々を手でスクロールし、読みたいところに移動しなければならないというめんどくさがりやの私には耐えられない面倒さでございます

一応青りんごとおなじく、ダブルタップすれば上にメニューバーが表示されますが、タップするまで意味が分からないアイコンが多数…

そして同じく全コンテンツを確認できますが、下の小さいスペースにしか表示せず、一画面で確認できる内容はとても少なく、スクロールするだけでとんでもない時間がかかります

と、以上でおわかりなのでしょうか?日本の電子雑誌のダメさ

日本の電子雑誌はとても遅れています、というか、この表現では「遅れる」という単語に失礼なくらい甘いです。なぜなら日本の電子雑誌のダメさはもはやヤル気ではなく、「認識」そのもの自体の問題でございます。大手出版社は未だに紙の本こそが本業だと思い込み、さらに「デジタル化」という単語に恐怖を抱き、電子書籍を助けないどころか、殺そうとすらしています。実際Mac FanのiPad版を手にとって読む方がいらっしゃると、「やっぱりiPadで雑誌読むのは色いろ不便なところあるな」と感じることもあると思います、が、それはiPadの問題でも電子書籍の問題でもなく、紙の本をそのままiPadに入れようとする「やり方」自体の問題でございます;だが大手出版社にとってむしろそれこそが目的であって、「電子書籍なんて所詮紙の本を売るための販促ツール的な物」だと考えているから、当分の間我々読者はこんなアホな状況を耐えるしか無いようです

しかし、電子書籍は大手出版社が考えているような媒体を紙からデジタルガジェットに移っただけのものではなく、デジタルというプラットフォームは紙には全く及ばない大きな可能性が潜められており、今日ご紹介した「青りんご」などのように、紙の本には不可能な表現方法ができるのです

そしてついでに、Amazonさんの交渉力を期待いたします

Author: 星野恵瑠

Mac user, Niji-Ota, Chinese, Now working in Japan at MAGES. Inc., Future's aim is that one day my name can be listed in Wikipedia

9 thoughts on “台湾発のiPad向け電子雑誌「青りんご」紹介”

  1. 青苹果那个因为太花哨太复杂所以都没有什么耐心去看… (……)
    书的话还是有书的样子比较好….
    顺带吐槽下那个JVC的iPad/iPhone音响配件的广告拍得那个bug比我写的程序的bug还多….嘛..如果是果粉什么的话都应该能一眼看穿的… (XD)

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